2015年1月25日日曜日

ソーシャルアクションの方法  なぜデモが影響力を持てないのか(4)  問題意識の連鎖反応2

前回の記事では、私が参加した一連のデモは、問題意識の連鎖反応を起こすことができなかったということを書きました。ただ、問題意識の連鎖反応を起こすと言っても、それほど簡単なことではありません。私は、デモはそれ自体が問題意識の連鎖反応を起こす効果があると考えていますが、デモが開催された時、開催されたという情報が多くの人に伝わっていかないと、問題意識の連鎖反応を拡大していくことができません。

私が参加した3つのデモでは、デモについての情報伝達を、デモの主催者や参加者の口コミとインターネットに頼っていたように思います。しかし、それだけでは、社会問題が国民の間に問題意識として広がっていく時の影響力が圧倒的に足りないような気がしました。その時々の社会問題について、あるいはデモの開催情報について、興味のある人だけが情報を拾い上げてインターネット上で拡散させるという状態であったように思います。そのため、インターネットをあまり使わない層の人達に、デモが開催される意味があまり伝わっていかないのではないか、というもどかしさを感じました。

では、問題意識の連鎖反応を拡大していくためには何が必要なのでしょうか。年越し派遣村でもそうでしたが、デモが開催されたという情報や、デモが開催されたことの社会的意味を国民に伝達するために大きな役割を果たすのは、やはりマスコミなのではないかと思います。主として、テレビや新聞です。


テレビや新聞は、社会問題についてあまり関心がない人達、情報に対して受け身の人達にも、映像や文字(特に新聞の見出し)で確実に情報を伝えることができるという長所を持っています。テレビや新聞が、社会問題の存在を多くの国民が理解できるようなわかりやすい形で提示できれば、その社会問題についてのデモ開催に、国民全体にとっての意味が生まれます。そして同時に、デモ開催の必然性も生まれてくるのです。


デモ開催に多くの国民が必然性を感じることができれば、デモへの参加者がどんどん増えていくという問題意識の連鎖反応が生まれてきます。問題意識の連鎖反応を拡大する鍵を握っているのは、マスコミの報道の仕方であると思います。