政治が機能不全に陥っていて、政治家が軽い存在になっているということを考える時、その人達を選んでいるのは誰なのかという問いが出てきます。もちろん、それは私達国民です。私達は、政治家を選挙で選んでいますが、政治を機能不全にしてしまうような政治家を選んでしまう私達自身にも問題があると言えるでしょう。
また、国政選挙における投票率は、毎回下がってきています。総務省のホームページによると、平成25年7月の参議院議員選挙、平成26年12月の衆議院議員選挙ともに52%代で、衆議院議員選挙については、戦後最低の数字のようです。この低投票率からは、政治への諦め、無関心という問題が見えてきます。
この政治への諦めや無関心ということを考える時、やけに記憶に残っている話があります。私が高校3年の時、公民を担当していた40代後半の男性の先生がしてくれた話です。その先生は、大学受験の科目ではないため、真面目に話を聞いていない私達の前で、にこにこ笑いながらこんな話をしてくれました。
「皆さん、政治家っていうのはね、本音を言えば、皆さんにできるだけ政治のことは考えてほしくないんですよ。国民に政治のことを色々考えられて口出しされると、自分達で好き勝手やることができなくなりますからね。政治家が国民に望むのは、テレビのバラエティー番組を見て、げらげら笑って、政治のことなんか何も考えず、お気楽に生活していってほしいっていうことなんですよ。そうすれば自分達で何でも好きなようにできますからね。」というような内容だったと思います。
この先生の授業の内容は、今ではほとんど忘れてしまいましたが、この話だけはなぜか私の記憶に残り続けていて、ここ数年の政治状況を見るたびに思い出してしまいます。上記の先生の話は、今の政治状況を予測するような鋭い指摘でした。先生がこの話をしてくれた当時は、ちょうどバブル景気が始まろうとしていた時代です。真面目に物事を考えるのはダサイことであり、何となく軽い乗りで生きていくことがかっこいいとされていた時代でした。
私達は、「政治というものは難しくて取っ付きづらいものだ。自分が直接関わるものではない。政治家がやってくれていればそれでいい。」といつの間にか思わされてきたのではないでしょうか。だとすれば、政治家の思惑通りにまんまと騙されてきてしまったということです。
ソーシャルワーカーの仕事をしていて思うのは、政治は、私達の生活と直結していて、私達の生活そのものを大きく左右していくものであるということです。私達が政治をきちんと監視していかないと、私達やクライエントの生活は、とんでもない方向に進んでいってしまいます。私達は、政治をもっと身近に考え、場合によっては直接的な関わりをしていく必要があるのではないでしょうか。
≪参考URL≫
総務省ホームページ 国政選挙の投票率の推移について
<http://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/news/sonota/ritu/index.html>(アクセス日:2015.3.14)
0 件のコメント:
コメントを投稿