まず、テレビや新聞を始め、マスコミが年越し派遣村を大々的に取り上げ、応援してくれました。派遣村主催者の方達も、マスコミへの広報戦略の必要性を重視し、とにかくマスコミを使って自分達のやっていることを知ってもらおうとしていたと思います。多くの人達に、「今、日本に貧困や派遣切りという大きな社会問題が存在する」ということと、「貧困は自己責任ではなく、社会の問題である」ということを伝えることに成功していました。
年越し派遣村主催者の中心人物だった方が湯浅誠氏です。今は超有名人ですから、メルマガ読者の皆さんもご存じかと思います。湯浅氏は、「貧困は自己責任である」という論理を広めようとしている財界著名人に対する反対の論陣を張っていました。2008年4月に、岩波新書から『反貧困』という新書を著し、テレビでは、貧困自己責任論を支持している人達に論戦を挑み、その論戦は、テレビで中継されていました。
私は、「日本にも、こんなカリスマのような人が現われたのか。湯浅氏に、ぜひ日本の救世主になってほしい。これは自分も応援しに行くしかない。この人はソーシャルワーカーではないみたいだ。あれ、ソーシャルワーカーの団体は、年越し派遣村を応援しているのだろうか?」などと考えながら、食い入るようにテレビを見ていたことを覚えています。
湯浅誠『反貧困』岩波新書、2008年
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